独断映画レビュー

0406 十三人の刺客(衛星劇場)
惜しい!最後の襲撃まではカンペキな面白さ。
「重武装の大名行列をどうやってたった13人で襲撃するか」ということを
実に緻密かつリアルに見せてたのに、その締めくくりとなるはずの最後のワナが、画面ではよく仕組みがわからず、ただのダラダラした斬りあいに見えてしまう。
あそこにこそ全体図や刺客の配置、二重三重のワナの妙をグラフィカルに見せる工夫が必要だと思うんだが…
うまくやってたら七人の侍を超えたかもしれないのに残念。
でも、ここまで面白いとは思ってなかったのでビックリした。
東映オールキャストということで、片岡千恵蔵、月形竜之介あたりがえらいカッコいい。

0406 忠臣蔵(衛星劇場)
大映版。大石が長谷川一夫。
徹底した勧善懲悪で、まあ年の瀬にふさわしい毒にも薬にもならない映画だけど、カネがかかってて見飽きない。
昔の歌舞伎みたいにお弁当食べたり、よそ見したりしながら見るのがいい感じ。
ダイジェスト版風にうまくまとまってる。

0405 三匹の侍(衛星劇場)
以前から話に聞いていたので期待していたのだが、実際見てみるとそれほどでもない。
有名な効果音など、ケレンではそこそこ見せるけど、基本となる筋運びやカット割が驚くほど拙く、いかにもテレビサイズという感じ。五社英雄ってこんなものか。
パイオニアとしての評価はあるだろうけど、そこだけに内容を頼るとこんな風になってしまうという意味でいい教訓かも。

0403 パニッシャー
おっもしれー!
いまのところ今年のベストかも(まだ三月だけど)
個人的にホーンブロワーとかの海洋冒険物好きというのもあるんだけど、じつに男らしい正攻法の大活劇で、ドキドキワクワク。
これまで文章から想像するしかなかった帆船や海戦の細かいディティールが、もうイヤってほど堪能できます。
女(売春婦)が二秒くらいしか画面に写らないのも凄い。ホントよくこの企画通ったなあ。
指輪物語とかと違って今後ジャンルとして定着しそうにもないから、こんな本格的な海洋冒険物って、実はこれが最初で最後じゃあるまいか。
ぜひ見ましょう。

0405 ヴァン・ヘルシング
おっもしれー!
いまのところ今年のベストかも(まだ三月だけど)
個人的にホーンブロワーとかの海洋冒険物好きというのもあるんだけど、じつに男らしい正攻法の大活劇で、ドキドキワクワク。
これまで文章から想像するしかなかった帆船や海戦の細かいディティールが、もうイヤってほど堪能できます。
女(売春婦)が二秒くらいしか画面に写らないのも凄い。ホントよくこの企画通ったなあ。
指輪物語とかと違って今後ジャンルとして定着しそうにもないから、こんな本格的な海洋冒険物って、実はこれが最初で最後じゃあるまいか。
ぜひ見ましょう。

0403 マスターアンドコマンダー
おっもしれー!
いまのところ今年のベストかも(まだ三月だけど)
個人的にホーンブロワーとかの海洋冒険物好きというのもあるんだけど、じつに男らしい正攻法の大活劇で、ドキドキワクワク。
これまで文章から想像するしかなかった帆船や海戦の細かいディティールが、もうイヤってほど堪能できます。
女(売春婦)が二秒くらいしか画面に写らないのも凄い。ホントよくこの企画通ったなあ。
指輪物語とかと違って今後ジャンルとして定着しそうにもないから、こんな本格的な海洋冒険物って、実はこれが最初で最後じゃあるまいか。
ぜひ見ましょう。

0403 マスターアンドコマンダー
おっもしれー!
いまのところ今年のベストかも(まだ三月だけど)
個人的にホーンブロワーとかの海洋冒険物好きというのもあるんだけど、じつに男らしい正攻法の大活劇で、ドキドキワクワク。
これまで文章から想像するしかなかった帆船や海戦の細かいディティールが、もうイヤってほど堪能できます。
女(売春婦)が二秒くらいしか画面に写らないのも凄い。ホントよくこの企画通ったなあ。
指輪物語とかと違って今後ジャンルとして定着しそうにもないから、こんな本格的な海洋冒険物って、実はこれが最初で最後じゃあるまいか。
ぜひ見ましょう。

0403 妖星ゴラス(DVD)
これもいい映画。
池辺良が徹頭徹尾やる気なさげなのがアレだけど、おそらく映画史上最高の大嘘を、圧倒的パワーで正面から描ききるそのパワー!偏執的なミニチュアワーク!スカッと爽快に盛り上がる感動のラスト!シビレル!
宇宙的危機を前にして正月を祝う志村喬や、ぜんぜんキャラのかわんないイデ隊員など小技も効いてます。

0403 モスラ(DVD)
いっぺんクリアな画質で見たかったので購入。
市街地をモフモフと蹂躙するイモムシ!
東京タワーに繭を作り、さらに巨蛾へ!
問答無用の映像的パワー!
これはやっぱり高度成長ニッポンならではの、幻想的イメージの白眉だろう。
もう見ていてとにかく楽しい。
恨みがましいゴジラとかと違って、「ああ、こんなのに踏み潰されるんじゃどうしょうもねえや」という、なにか突き抜けた明るさがある。
終盤、モスラに追われてロリシカ(原作ではそのものズバリのロシリカ)国を逃亡するジェリー伊藤のシーン、大規模な教会のセットと外人エキストラで撮りきろうとするのもご立派。
なんでも当時アメリカにも売ってウハウハの予定だったらしい。
ちょっとテンポが悪いのが難だけどな。

0403 火を噴く惑星(DVD)
レンタルとかに置いてないので、とうとう購入してしまったが、なかなかいい感じ。
なんといっても、アグファ・カラー(ソ連のはソフ・カラーとか言わせるらしいが)の独特の色調と、西側のラインとはあきらかに違うロマンチックなSFデザイン。
筋も演出もグダグダだけど、そんなの誰も期待してないからどうでもいいや。
出色は、やっぱり「ロビー」と余裕でタメをはれるロボット「ジョン」
この時代にしては信じられないほど関節などの処理が合理的で、説得力がある。
敬語で話さないと反応せず、最後は暴走して主人を溶岩に放り込もうとするなど、基本的に信用ならないところがまた最高。
資本主義圏と共産圏で、宇宙服のデザインが微妙に違ってたりすることろもポイント高し。
実は脚本レベルではかなりまじめに考えられたSFだったと思うのだが、沼地をピョンピョンはねるトカゲ男とか、縁日の山車みたいで楽しそうな宇宙植物とか、細部のディティールがユーモラスで、すっかりコメディになってるのもご愛嬌。
かつて金星を訪れた宇宙人の遺物が、なんだかエジプト風というのも、西方に憧れ、宮廷ではわざわざフランス語で会話してたというロシア人のメンタリティを思わせて興味深い。

0403 指輪物語 王の帰還
やっと見てきました。
もうおなか一杯一杯。
ああ、やっと終わるかと思ったら、果てしなくグイグイ引っ張り続ける物凄い馬力に圧倒。
さすがにラストはもうちょっと歯切れをよくしたほうがいいと思ったけど、カツ丼にビフテキとウナギの蒲焼を乗っけたような、すさまじいボリューム。
あんだけやってくれれば、細かい話は置いといても、とりあえず1800円払う価値はアリアリでしょう。いつも同じこと書いてるけど。そういうシリーズだったからには仕方ない。
ラストシーン近く、エルフの国(らしい、よく知らんけど)に旅立つ船の、幻想的で美しく、また退廃的で不吉なこと。
作り手も観客も、その行く先に待っているのが、もはや未来でも希望でもなんでもなく、現実とはまったく無縁の絵空事だと気づいているためなのだろうか。
なんとも21世紀的で、印象に残るシーンだった。
それにしても、サムっていい奴だったなあ。

0402 青春デンデケデケデケ(DVD)
オレは中学高校時代、この映画の舞台と瀬戸内海をはさんだむかいの岡山にいたので、風景や方言のニュアンスなどに大変親しみを覚える。。
この映画はロックバンドだけど、オレは一生懸命8ミリアニメを仲間たちと作ってたので、なおさら。
この映画がいちばん素晴らしいのは、どうしようもない田舎の、どうしようもないガキどもが、結局どうしようもないまま終わるという所だろう。誰もと同じように。
大林映画はあんまり手放しでほめる気にはならないけど、この映画だけはまったく個人的な理由で無条件に大好きだ。
どうしようもない田舎の、どうしようもないガキだったオレとしては、いろいろ思い出して涙が出てくる。

0402 千年女優(DVD)
途中から早回しにしちゃったので、ちゃんと見たわけじゃないのをお断りします。
しかし素朴な疑問だけど、この監督の今敏って、誰が評価してるんだろう?
三谷幸喜みたく「悪かあないけど、そんなにいいかね?」という感じが強い。
メディアに作られたクリエイター像というか。
日本アニメを青田買いしたいドリームワークスと思惑が一致してるのかな。
絵のキレイさと、その他のビックリするような凡庸さ(特に演出)とのギャップが激しいので、オレは正直、見るに耐えなかった。
ファンの人がいたら申し訳ないけど。

0402 バトルロワイヤル(DVD)
順番が逆だけど、ようやく見る。
まあ「2」よりは面白いけど、やっぱこの脚本書いてるバカ息子ダメだわ。もう果てしなくダメだわ。とにかくベタで饒舌で陳腐。センスのカケラもない。
こいつを真っ先に射殺すれば、ずいぶんマシな内容になっているのではなかろうか。
ただ、助演の山本太郎(名前調べちゃったよ!)が抜群にいい。
他の出演者が全員学芸会みたいなので余計引き立つ感じ。主役を食いまくり。

0401 シービスケット
日本語で言うと「海せんべい」
評判を聞いて見に行きました。
主人公がスパイダーマンで、馬の調教師が「ロケットボーイズ」の、恐ろしい炭鉱鬼オヤジなので、こいつらいつ変身してCGで戦うんだろうかと思ってましたが、中身はごくまっとうな、なかなかいい映画でした。
いまどきアメリカ映画としては、そうとう頑張ってると思いましたね。
「ニューシネマパラダイス」における「映画」のように、この映画でも「馬」という素材を、強力な武器として実にうまく使用しています。
馬が美しく躍動する姿を見てるだけで、話の細かい部分はおいといても、とりあえずジーンと来ますね。
ベストセラーになった実話の映画化ということで、挿話が唐突だったり、展開がわかりづらかったりする。
(例)序盤、ついにメキシコの地で登場した美しき白き暴れ馬!足を骨折しており、馬丁数人に取り囲まれ、今にも射殺されるその瞬間!調教師登場して「俺にまかせろ!」とばかりに引き取ったこの馬。実はシービスケットと何の関係もなく、この後まったく登場しない。何だったんだオマエ。
また、せっかくいい役者をそろえてるんだから、もっとカメラを引いて、どっしりとした絵を撮ればいいのに、いかにも安いテレビ風のカット割りを多用してたりと、スキがないわけではないけれど、そんなレベルの話はもう「ドドドドド」と馬が走ってるのを見てるだけでどうでもよくなります。
今の日本の世相にもよくマッチした、素直にいい映画ですので、馬に1800円払うのはもったいないという人でも、DVDを借りるなどして見ておくといいのではないでしょうか。

0401 リベリオン(DVD)
途中まで見てほったらかしてたのだが、ようやく最後まで見る。
低予算で、いろいろとワキが甘い部分も多いのだけれど、とにかく独自のアイディアをあれこれ盛り込んで、ただの「マトリックス」亜流で終わらないよう頑張っている。
その姿勢にかなり好感。
つーか「ガンカタ」最高!
一歩間違うとギャグな設定を、よくぞあそこまで説得力のある映像にしてみせた。
そのカッコよさで全部許す。
俺もクレリックになって、「ガンカタ」で感情違反者を皆殺しにしてえッ!

0401 タイムライン
見る前からちょっとイヤな予感はしてたのだが…。
安い。
役者もカメラもセットも演出もすべて安い。ペラペラヘッポコ。
せめて「リベリオン」みたくに、金がないのをセンスでカバーしてくれれば
ネタの面白さだけでなんとか引っ張れそうなのに、
特に前半は、全体がもう自主映画のレベルで、すべてがグタグタだからもう悲惨。
本気で帰ろうかと思った。
マイケル・クライトン!リチャード・ドナー!タイムトラベル!中世冒険活劇!
あたりのキーワードで大作感を期待していくとかなりダマされ感の方が強い一本。
お城のセットと馬と甲冑と投石器そろえたら予算なくなったんだろうなあ。
リチャード・ドナー、きっと最近大変なんだろうなあという気の毒感ばかりが漂う。
ラスト付近でそこそこ盛り上がるのと、あえて使わないんだか使えないんだか、
CGでなく実物を作ったという投石器や、舞い飛ぶ火矢などは迫力があって
そこだけ一見の価値アリ。

0401 ファインディング・ニモ
最初に言っておくと、子供向けアニメ映画としては十分及第点。よくできてると思います。
以下はそれを踏まえての話だけど、
ピクサー堕ちたなあ。
すっかりただの「CGディズニー映画」になっちまったという印象。
とにかく脚本がヌルい。
ベタベタで、教条的で、いかにもファミリー向け。手堅いけど踏み込みが甘い。
以前、「トイストーリー1、2」の時は、日本アニメでもそこまでやらない脚本の練りこみと冴えに圧倒させられたものだけど、あの輝きはまったくナシ。
思えば「モンスターズ・インク」でその予感はあったんだけど、やっぱりラセターって得がたい演出家だったんだなあ。
本家ディズニーに比べれば100倍マシで、こんな部分でがっかりする人間は世間でオレだけかもしれないけど、これならもうピクサーの次回作はわざわざ見る必要ないかも。

0312 モスラ・ゴジラ・メカゴジラ 東京SOS
これだ!これこそオレが期待していたゴジラ映画だ!
果てしなくロウな志とズタボロの脚本、安い演出、テンポもセンスもない旧態依然の特撮、まばらな観客席には騒がしいガキと年季の入ったマニアのみ。
最近うっかりすると面白いことがあったりして心配していたのだが、ゴジラ映画というのはこうじゃなくちゃ!安心してよそ見したり居眠りしたりできる、まさに横綱相撲。
年々自衛隊のPR映画と化して来てるのもポイント高し。
しかしせっかくの新撮だというのに、どうしてこうもどっかで見たようなイメージばっかり縮小再生産するかね。
あと、平成ウルトラマンと同様、飛行に関するイメージがすごく粗雑でがっかり。
これは技術じゃなくてセンスの問題なんだけど、特撮やアニメでは、苦もなくなんでも飛ばせてしまうから、逆にそれが「本当に飛んでいる」ように見せるためには細心の注意が必要なはずなのね。アングルやフレーム内のサイズ、動くスピード、編隊間の距離など。
ヒコーキ大好き人間だった円谷英二は、そこらへん実にこだわった絵作りを心がけていたはずなのに、今回19年ぶりに呼ばれてきたとか言う円谷古参系の特撮監督が、「それやったらオモチャにしか見えないだろう!」ということを平気でやってしまうのはどういうわけだろう…。

0312 ラストサムライ
久々にロードショー。
結構混んでて席が前。大迫力だが首が痛い。
内容は、一言で言うと「和風ロードオブザリング」。
現実の日本とはまったく何の関係のない、異世界ファンタジーだと割り切れば楽しいよ。
やっぱり勘違いしている部分もあるけど、基本的に好意的な勘違いなのでまあいいかと。
日本文化にきちんと敬意を持って尊重しようとする、誠実な姿勢が画面から伝わってくるのには素直にうれしい。(たぶんこんなに日本礼賛のハリウッド映画は、もう作られないんじゃあるまいか。)
…んだけど、そこら辺の正味のところがわかってる日本人としては、どうもあんまりほめられすぎな気がして、逆に申し訳ない感じも強い。
アクション監督に「ブレイブハート」、衣装に「ロードオブザリング」のスタッフなのは、見ててなるほどの印象。
オレは「ガンヘッド」の恨みで、敵役の原田眞人が大ッキライだけど、その意味で今回はジャストはまり役。いかにも外国通をかさに、口八丁でのさばるチンピラ感が抜群!
最後にトムが斬り殺してくれるともう最高だったんだけど。
ラストがいかにも饒舌で、ベタベタしており、これでかなり点を下げている。ここらへんスパッと切ってみせるのが、まさに武士道の精神のような気がするんだが。
ショボくれた老武士の福本清三がじつにいい。彼こそまさに「ラストサムライ」だ。

0312 トレジャー・プラネット(DVD)
たまたま最後まで見る機会があったので…
えー、一言でいうと、じつにどーでもいい映画です。内容ゼロ。
わかってて見てもため息が出ます。
豪華な外見、空疎な中身。そして果てしなくロウな志。きっとキャリアアップになるんだろうけど、オレ間違ってもこういう作品に携わりたくないなー。
まさに21世紀のディズニーを象徴するような作品。
日米双方で両コケしたのも無理ないけど、この豪華な空疎さは他人事じゃなくて、今ゲームが思いっきり同じ轍を踏んでるよな。
見ていてなんだかファイナルファンタジーの新作をプレイしてるような気になりました。あーあ。
一応ほめとくと、背景の色味がとってもきれいだよ。

0311 キル・ビル
えー、一言でいうと、じつにどーでもいい映画です。内容ゼロ。
ただ、わかってて「アハハハ」とか笑いながら見る分には楽しいよ。
残虐なシーンも多いですが、あまりに展開も人物描写も適当なので、こちらも何の罪悪感にとらわれることもなく「おお、もうみんなどんどん死ね死ね!」と、心から適当な声援を送れるという。
好きなことを好き放題やって、最後に「まとまんないから続く!」という男らしさ。
同じくらいのバカさ加減なのに、なんだか精一杯「頭よさそう感」を出そうとしている「マトリックス・レボリューションズ」とペアで見るのがちょうどいい感じの映画でしたね。
シラフで期待して見ると怒り出す人もいると思うので、ビールでも飲みながら、よそ見しつつ見ましょう。

0311 マトリックス・レボリューションズ
やっとヒマになったので、久々に「キル・ビル」と二本ハシゴ。
未見の方のために、見所のポイントをざっと説明しますと。
大きな音が鳴るところ以外は、ずっと寝てても大丈夫です。
とくにおばちゃんとかインド人とかが画面に写ってたら、悪いことは言いませんので速攻寝ましょう。
高校生ができるかぎり難しいことを考えて見ました!みたいなヘッポコな禅問答がえんえん続くだけですで。
途中「ドカーン、バババババ」とかひっきりなしに大音響が鳴り響くようになったら、クラゲロボのムチャクチャな大群と、パワードスーツ軍団のヤケクソな大迫力バトルですから、そこだけは見といた方がオトクです。ここはカッコいいよ。
残念ながら、ウリのひとつだったカンフーは、しょせん焼き直しですので、もう見るべきところがないです。
ここまで来たんだから「かめはめ波」とか「元気玉」とかやりゃいいのに。
スターウォーズとか指輪物語とかは、見せる内容が直球なので、同じテイストで三本作ってもなんとか最後まで見られますが、こういう変化球もので三本というのは、ちょっとイメージ貧困に陥って続かないなあという印象でしたね。

0307 マトリックス・リローデッド
ビデオで十分かなあと思ったけど、やっぱり大画面で見たかったので、激安チケットが手に入ってのを機に、ほとんど上映期間終了なんだけど飛び込み。
えーと、評判どおり、面白い映画ではないです。前半寝ました。
まあお金がいっぱい入ったから、作りたいように作ってる感じで、多分客が見たいとはカケラも思ってない、主人公たちのどうでもいいラブシーンや、いかにも思わせぶりな対話シーンがダラダラ続きます。
きっと監督はここにこそテーマが…とかいらんことを考えてるんだろうなあ。
100人に増えたエージェント・スミスとのバトルも、特殊技術に凝れば凝るだけ、格闘アクション本来の魅力である身体性の部分から遠ざかってシオシオといういつもの轍を踏みまくってます。
しかしこういうバーチャル系のネタって、スリラー映画が「ひょっとして何かいるかも!」と思わせる過程こそが重要で、実際オバケが出た時点で「なんだオバケか」と、一気にトーンダウンするみたいに、「今見えているこの世界は現実ではないかも!」というエモーションから逸脱してしまうと、いきなりつまんない感じ。
現実世界の地下深くに残された人類最後の砦「ザイオン」とか、前作で話だけ出てきたときはいろいろ想像を膨らませてたのだが、実際出てきたらCGこそ凝ってるけど、要はただの洞窟基地でイメージ貧困。現実とバーチャルの対比がちっとも活きてこない。
まあ、後半の高速道路バトルはさすがに笑っちゃうほど凄いので、そこまで一時間半ほど寝てましょう。

0306 バトルロワイアル2(試写会)
友達がチケットをくれたので。舞台挨拶つきで大変盛り上がる。
前作は見てないからよく知んないけど、現代日本の普通の中学生が、いきなり戦場に放り込まれていっぱい死にまくる話。
ご存知深作監督の遺作で、東映としてもかなり力を入れてる感じ。
ビートたけしは前作に引き続きとして、ちらっとしか出てこないテロリストのリーダーが千葉真一、その部下がギャバン大場健二、バカ中学生の母親が三田寛子。
見所はいくつかあるのだが順に挙げると
鉄板な企画
ヒット作の続編。
タイムリーな時事ネタを絡めたスキャンダラスな内容。
「今度は戦争だ」という死ぬほどわかりやすいキャッチ。
爆発銃撃テンコ盛り。
若手人気俳優男女で多数登場。
監督の遺作という話題性。
実際当たるかどうかはまだわからんが、「これだけネタ揃えれば絶対イケんだろ!」という製作者側の鼻息が聞こえてきそうな、とにかくスキのない仕掛け。
炸裂!東映節
「中学生どうしが殺しあうなんて!」というネタは前回でやりつくしてしまったので、21世紀日本の病理とか、アメリカの正義が生み出す軋轢とか、それによるテロの拡散とか、もっとシャレにならない時事ネタを、とりあえず全部ブチこんでみました。
当然ながら収拾がつかなくなったので、
「とりあえずみんな体制が悪いので、日本を脱出してテロに走ろう」
というものすごいオチが待ってます。腰が抜けること請け合い。
これぞ深作!これぞ東映節!何も考えてない
アナクロな結論。
あの神経症的な世界が、こんな全共闘的アナクロ浪花節に咀嚼されてしまうとは、原作者も予想だにしてないだろう。
(読んだことないけど)
脚本を書いたのは監督でなく、72年生まれの息子らしいが、あの父にしてこの子あり。
多分連合赤軍から何も学ばなかったのだろう。

0306 アライバル(木曜洋画劇場)
テレビでやってたのでなんとなく途中から見る。
侵略もののB級SF、主演が最近みないチャーリー・シーン。
けっしてデキはよくなくて、ツッコミどころ満載なんだけど、
メキシコ人に化けて、ホテルの二階からバスタブ落として襲ってくる宇宙人(逆関節でジャンプ力抜群)とか、作ってる連中が確信犯でギャグやってるのか、それとも本気なのか、そこにドキドキハラハラしてしまって最後まで見逃せない。
正体がバレて、荒野を逆関節でヒョコヒョコ走り去っていく黒人少年など強烈な印象を残す。
いや、ほめてるわけじゃないから、わざわざ見る必要はないけど、そのうちまた再放送するだろうからヒマだったらどうぞ。

0304 どうぶつ宝島(DVD)
東映長編まとめ買いその2
いやー、やっぱデキがいいわー!
森やすじのどうぶつキャラ&宮崎冒険アクションという豪華版で、「子供向けまんが映画」としては「長猫」に並ぶ最高峰だろう。
とにかくもうみんな仕草がかわいんだ。
宮崎アクションのキレも再確認。
今見てもカット割りとかタイミングがとにかくスピーディなんだよ。
これで東映A作打ち止めというのは、まあしかたないんだろうけど惜しいなあ。

0304 わんぱく王子の大蛇退治(DVD)
東映長編まとめ買いしたので。
しかし、なんだこれ!去年の秋までに買ってたら二本で一本タダ?
畜生!なぜそんな大切なことを俺に言わん!はあはあ。
気を取り直して、わー画質がクリアで見やすいわー。でも音は割れてるな。
これサントラをよく聴いていたので、「ああ、こういう設計だったのか」と気づく箇所がちらほらと。
日本神話+東映動画+伊福部昭というのは奇跡のようなカップリングだなあ。みんなヤマタノオロチをほめるけど、カグツチやアメノウズメのシーンもいいよ〜。特にアメノウズメは原画担当が「カールおじさん」ひこねのりお、おおらかなエロチシズムが素晴らしく、華麗な伊福部節も炸裂して日本アニメ史上最高のミュージカルシーンと言っても過言でないない。演出助手だった高畑勲が相当がんばったらしいぞよ。

0303 指輪物語 二つの塔
久々にロードショー。
朝八時半という早朝の会を狙ったが、それでもお客がいっぱい。人気あるなあ。
内容は、相変わらずの特大ボリューム。
これでもか!という勢いでえんえん三時間にわたって繰り出される映像のパワーには、1800円払う価値十分すぎるほど。
つーか、これと「ミニモニムービーだぴょん」とかが同じ値段というのは問題あるだろう。
一本調子に過ぎる感はあるけれども、相変わらずこれだけの長尺を、ダレ場なしテンポよく見せる豪腕ぶりは大したもんだ。カッコいいぞピーター・ジャクソン。
作品に対する誠意と熱意、さらに愛が感じられて、へっぽこチンピラ兄ちゃん大活躍な「エピソード2」よりずいぶんと好感が持てる。
ただ、ここまでちゃんと作ってあると、本来監督の(多分低予算をカバーするための)持ち味だったと思われる、細かいカットの繋ぎやカメラワークが、かえって画面を安っぽく見せてしまっているのが残念。
CGを多用した見事なアクションも、とにかく絶対バレないことを目的としたよな「せわしない」編集のために、何をやってるのかよくわからんことが多い。もちろんトータルクオリティから言えば全然OKレベルなのだけど、もっとロングと長回しでじっくり見せることを覚えた方がいいのに。
それにしても、あの「ゴクリ」とかいう奴、こないだハリー・ポッターにも出てなかったか。

0301 スネーキーモンキー・蛇拳(衛星劇場)
またなんとなーしに最後まで見てしまった。山ほどあるジャッキー・チェンのコミカルカンフーもの。これははじめて見たな。
桃白白(ラウ)の元ネタの出るやつ。なるほどそっくり。
カメラと音楽がとにかく安い。自主映画みたい。トリミングも変だけど、ビスタをぶった切ったものしか残ってないのかな。昔はカンフー映画ってまさにこんな感じだったなあ。よく中学校の入り口で割引券配ってたっけ。微妙にテクノ夜明け前な音楽も時代を感じさせる。
でもこうしてみるとジャッキーって得がたいキャラクターだな。カンフー映画につきものの暗くて陰惨な感じがない。とにかく明るく楽しい。
内容は、いっつも出てくる飲んだくれの師匠と修行して強くなる、いっつも同じ話なんだけど。
ジャッキーがなんかそこらへんにいそうな兄ちゃんなので、見ていて応援したくなる。
なんか解説によると、途中で本当にケリが決まって歯が折れたまま撮影してたらしく、そういう荒削りな迫力は最近なかなか見られないかも。

0301 燃えよドラゴン(衛星劇場)
なんとなーしに最後まで見てしまった。都合何回目だろうかアチョー。
わたしゃ別にファンじゃないので、何度見てもブルース・リーがただの狂人にしか見えないのがステキ。あの目つきはヤバ過ぎだろう。
改めて見返してみると、思ってたよりお話もそれなりにきちんと考えてあって、映画としては安い作りながら、東洋趣味のスパイスもうまく効いてよくできてます。
ところで冷静に考えると、もう一人の主人公である白人の兄ちゃん、借金に追われ、その返済に武道大会の賞金を充てようと思ってたのに、リーの怒りの鉄拳のおかげで主催者全員死亡。エンディングでなんか途方にくれてたが、あの後どうなったんだろう。

0212 ゴジラ×メカゴジラ
ハム抱き合わせゴジラ第二弾。有楽町マリオンの案内表示ではあっさり「ゴジラ×ハム太郎」になってて落涙。
内容は・・・もういい。
メガギラスの頃から思ったが、もうゴジラは批評の対象ではなくなってしまったんだなあなという印象。輪島塗とか人形浄瑠璃みたいな、「保護すべき伝統芸能」と化した感あり。
思えば「スペースゴジラ」の頃は、あれだけ駄作が連発されていても、「毎年のゴジラ」がそれなりの商売になっていたのだ。
ハム太郎に食われて時間は短縮。主演はグラビアアイドル(とっても頑張ってたけど、これは僥倖だろう)。オマケに有名野球選手も友情出演・・・。
こんなの批評するだけ可哀想だ。内容なんかもうどうでもいいから、こんな切ない現場で頑張ってるスタッフのみなさんを褒めてあげたい。
いや、それなりにいいカットもいっぱいあったけどさ。
ゴジラ、もう、元気でいてくれるだけでいいよ。よかったら来年また帰ってきてね。

0212 マイノリティリポート
ディックの原作で主演がトム、監督がスピルバーグ。以上のことからあなたがだいたい想像する以上のことは起こりません。金のかかった小品という印象。
原作者が同じだからブレードランナーみたいな世界観とストーリーだが、多分リドリー・スコットよりはキューブリックを狙ったんじゃなかろうか。
しかしスピルバーグはどうも性根が卑しいので、演出がいかにもベタベタ。一生懸命絵作りを工夫しているけどスマートさはかけらもなし。つーかなぜこういう映画で「目の手術後、つい間違って腐ったサンドイッチや牛乳を」「自分の目玉をうっかり落として坂道をコロコロ」とかを入れるかね。
トムが大真面目で熱演する未来コンピュータの操作シーンも、JMのころから何の進歩もないパントマイム大会でカッコ悪い。あれ絶対マウスオペレートより効率悪いぞ。
せめてアンハッピーエンドのままザックリ終わらせたらちょっとは見直したんだが。
ただ、スピルバーグ印だけあって、テンポは快調、金のかかったSFXもなかなか眼福なので、前売りが安かったら見てもいいんじゃないかな

0212 あの夏の日 BS放送
テレビでやってたのでなんとなく最後まで見てしまった。「大林尾道映画新三部作最終章」だそうな。このおっさん、尾道を踏み台にしたつもりが、ものの見事に取り殺されてるな。
尾道駅、瀬戸大橋、フェリー、ロープウェイ。
絵に描いたような大林尾道映画で、ほとんどセルフパロディ。デキは中の下。小林桂樹は熱演だがいかにも軽い。これは三船敏郎あたりの役だろう。
背筋がモゾモゾする甘ったるいテイストはいつも通りで、「さびしんぼう」とかのころは目新しかったものの、ネタが割れてる今ではかなーり気色悪い。その点この監督は「青春デンデケデケデケ」がベストだと思うのだが。
デジタル合成を多用しているが、ウカツに彩度を上げてしまってアニメの背景にしか見えないのがもったいない。もうちょっと空とかにグレー足せば活きるのに。実写特撮の鬼門「空を飛ぶ」も、いかにもうまく行ってない。しかしメガネのギミックには素直に感心。あれはうまい。
尾道は家族の法事とかで結構馴染みのある街で、大林映画を見るたびに「ああ、いいな懐かしいな」とか「ああ、ヤだな思い出しちまった」とか、個人的にいろいろ思い出が反芻されちゃうン
(斬新な終わり方のつもりらしいので気にしないでください)

0211 仄暗い水の底から DVD
「リング」とセットで借りてきてやっと見た。やっぱこの監督イヤ。オレ怖いの苦手なのはあるんだが怖すぎ。途中までホントに泣きそうだった。
とにかく、いまの日本人にとっての「身近なヤな感じ」を描かせたらこの監督の右に出るものはいないのではなかろうか。いや、いるかもしれないけど怖いからこれ以上出てこないでくれ。
怖がらせるネタが「身近なヤな感じ」なだけに、超自然的なバケモノとかが出てしまった時点でいきなりガクッと失速するのも「リング」「女優霊」と共通で、実はこの映画ラストが特にダメダメなのだが、これできちんとまとまってたら夜眠れなくなるから許す。
「ああよかった、なんかつまらん映画になってくれた。」と逆に感謝したい気持ち。
血しぶきドバーみたいなホラーを期待している人には向きませんが、暗闇でうっかり濡れ雑巾を掴まされたような、イヤ〜な気持ちになれることは保障します。

0211 リング(ビデオ)
やっと借りてきた。こんどハリウッドでリメイクされたそうなので、ネタバレになる前に見ときたかったのだ。
ものすげー怖かった。正確には怖いんじゃなくて気味が悪かった。全編もうウヒャーな感じ。
ビデオ借りるだけの価値はあるけど、わざわざ見ない方がいいよ。
原作は人気小説だったらしい(もう怖いから絶対読まない)が、途中で登場するヒロインの元ダンナが突然エスパーって描写はアリなのか?「カリ城」もいきなり外人が見たら五右衛門の登場がえらい唐突らしいから。それにしても、ああ気味悪い。
以下見てて突然思い出したので追記。
劇中に福来友吉博士の千里眼ネタが登場するが、昔大学の図書館に、まさにそのものズバリの気味の悪い本があったのよ。
たしか「千里眼の研究」というもので、体裁は大真面目な学術論文風なんだけど、肝心の被験者のほうが、自称透視能力者の僧侶とかいかにも怪しく、どう見てもヘタなイラストを「念写した月の裏側」とか大真面目に語っててスゲエ不気味だった。
多分大学図書館に収められてますとか言いたいがために、各大学に送りつけてたシロモノじゃないかと思うのよ。
ところがこれ、よく読んでると、どうも福来博士が社会的に抹殺されてこの世を去った後に、誰かその遺志を継いだ無名の研究者の手になるものみたいなのね。執念ドロドロに書かれた「福来先生の無念」を読んでゾ〜っとしたことを覚えてる。
ああ、イヤなもん思い出した。
しかし、この監督ホントに日本人の皮膚感覚的な恐怖のツボがよくわかってんなあ。

0211 ハリーポッターと秘密の部屋
大ヒット作の続編。いま有楽町マリオンは、片側全部これ。客は女子供ばっかで肩身狭し。
一言でくくると、上等な砂糖をたっぷりつかった高級洋菓子。
なるほど世界中の子供が手放しで喜ぶような、たっぷり甘くわかりやすい味。
最近のディズニーとかは、ここに化学調味料とか大麻とか入れてるので、それに比べればマシな方だが(今度は「キャプテンハーロック」に「宝島」だとよ。)、お菓子はお菓子と徹底して割り切った閉鎖的なファンタジー。
これ見てよろこんでる日本の親子って、なんかあまりにも後ろ向きな気がするが、21世紀の今日この頃、実はどこにも「前」なんてないことがバレてしまったからにはしょうがない。
前作でかわいかった魔法美少女「ハーマイオニー」は、子役にありがちな成長期の変化でちょっとイマイチ。
昔懐かしい「ロミオとジュリエット」でも思ったけど、外人の女の子って、日本人がほとんど使わないオデコの筋肉動かして顔をしかめるので、とたんにシワが出てババっちくなっちゃうんだよな。
しかし前作との不思議な共通点として、ハリーが森にいくといっつも特撮がチャチになるのはなぜだろう。大グモの足が操演モロバレでドキドキ。

0211 ロボットカーニバル DVD
昔懐かしいアニメ。公開当時は「ケッ」とか思って見なかったのだ。
大友克洋監修のオムニバスもので、個人的にはここら辺から大友が仕事に手を抜く悪い癖を出したような気がしてならない。
参加している九人のメンバーは、今見るとどれも懐かしいなあという顔ぶればかり。大森英敏とか最近どうしてるんだろう。
友達の恋人が実はシャアだったのでビックリするヒロインとか、明治の東京を守るシロツグとか、ロボット偏愛じいさんの声がモロボシ・ダンだったりと、妙な見せ場はいっぱい。
しかし全体的に感じるのは、アニメーターってやっぱり職人に過ぎないんだなあという一点。
いや、絵はすげえキレイだよ。最近ではもうやらないような細かい仕事やってます。
しかしそうした表面的な部分ではごまかせても、作家としてのセンスが、いかにも薄っぺらく底が浅い。「メトロポリス」のモロパクとか、キャシャーンの焼き直しとか、恥ずかしいラブコメとか。趣味を丸出しにするのは別に悪いことじゃないけど、そうしたものが人様の目に触れるときには、それで客を納得させるだけの「芸」が必要だろう。
「何でも好きなことやっていい」って言われたら、トップクラスのアニメーターでもこの程度のことしか表現できないのかと思うと、いまさらながらにOVA初期の湖川友謙や、金田伊功の醜態を思い出す。70億円のゲームとかも思い出すけど。

0211 UFO少年アブドラジャン DVD
キン・ザ・ザとセットで入荷してたのでこれも。なんか最近リバイバル上映があったんだそうな。
ウズベキスタン製のSF映画。もうこれだけで全てがどうでもよくなる。「ウチはもっと金がねえぞ!」という力強い声が聞こえてくるようだ。
とにかく特撮が大胆(笑)。見ててハラハラするのだが、圧巻なのは、クワで空を飛ぶシーン。
ブルーバックでもリアプロジェクションでもなくて、なんと「書き割り」!合成ですらないという清清しさ。
空のあちこちに一定間隔でシワが見えるわ、照明で一生懸命カゲを消そうとして全然消えてないわで、もうドキドキ。
夕方になったら顔が真っ暗で全然見えない自主映画顔負けのカメラとか、突然夜が昼になったりして全然繋がんない編集とか、ソ連軍の全面協力で戦車や戦闘ヘリをバンバン出してるのに、カケラも緊迫しないクライマックスとか、見所はいっぱい。
オレ、いまだかつてあそこまで画面になじんでないマットアートって見たことないぞ
でも底抜けの素朴さが、それら全てをプラスに見せてしまうってのは一種ヒキョーだよな。
徴兵された息子を1時間だけ空間移動で連れ戻すくだりなんか、実にいい味でてる。
仕事に疲れたときなんかにオススメな映画です。
ソ連時代のイスラム圏という、日本人にとっては宇宙と同じくらいな異世界のメンタリティを垣間見られるのもお得な感じかも。

0211 不思議惑星キン・ザ・ザ DVD
これまで見損ねてたのだが、ようやくレンタルDVDを発見。やっぱロシア映画って悠揚迫らない感じがいい。全体のセンスや配役も抜群で、いい感じにトボけた映画でした。
「サテリコン」か「アルファヴィル」みたいな、強引きわまる美術も投げやりでステキ。隙間風の入りそうな宇宙船なんて見てるだけでうれしくなってくる。貴族の船なんかどう見ても上の部分がワインのコルク抜きだしな。「ウチには金はねえぞ!」という力強い声が聞こえてくるようで、「うひゃひゃ、なんじゃこりゃ」とか笑いながら二時間楽しめました。
安いケレンで塗り固めた、薄っぺらな「マグノリア」とはえらい違いだ。

0211 マグノリア DVD
オレの三時間を返せ!!!

0211 バグダッドの盗賊 ビデオ
ダグラス・フェアバンクスの活劇もの代表作。上山草人がモンゴルの王子役で出るのが有名・・・って聞きかじってたんだが見るのは初めて。
内容はほぼアニメ。「アラジン」実写版(あっちが後だが)と言っても通じるくらい、適当で他愛無いおとぎ話。ワハハと笑って寝て起きて、あとはサッパリ忘れられます。昔は映画ってこんなもんだったのだ。
チョビヒゲを得意げにはやした当時の超二枚目俳優ダグラス・フェアバンクスは、半裸のナイスバディを見せ付けてキメポーズを連発するが、80年後の今見るとただのバカ。ほとんど「ムトゥ踊るマハラジャ」で、今の日本じゃウケそうな予感も。
セットの素晴らしさがよく話題になるらしいが、カメラがものすごーく凡庸で、ちっともすごく見えない。こういうのを見ると、「イントレランス」とかが、逆にどれだけ凄いかよくわかる。
ビデオ化のオマケで付けられてる「ぴーひゃらぴーひゃら」というヘッポコな音楽がまた腰砕けでよい。
多分ギャラは5万くらいじゃなかろうか。

0211 女優霊 ビデオ
怖い怖いと評判の恐怖映画。「リング」の監督がこれで名を売ったそうな。75分と短いがなかなか見せる。幽霊というのは見えてしまったら単に幽霊でしかない(あたりまえだ)ので、いかに見えそで見えないか、というチラリズムにキモがあると思うのだが、前半、特にいい感じで見えそで見えない。怖い。その意味で、本当に見えてしまう後半が失速気味なのが残念。(まあ、時間のからみとノルマだったんだろうけど)ケレンに頼らない正攻法の姿勢には好感。

0211 王と鳥 DVD版
フランスの古典的名作アニメ。「長猫」「カリ城」とかの元ネタとして有名。
以前は「やぶにらみの暴君」の名で知られてたのだが、まあ「ノートルダムの鐘」と似たような話ではなかろうか。
実は最初の公開に際してゴタゴタがあり、作者の意に染まぬバージョンで世に出てしまったということで、以来コツコツ作り続け、ようやく完成させたディレクターズカットらしいのだが、追加部分の作画レベルが低すぎて、なんか無惨。
つーか、公開当時に高畑勲がひっくりかえったというだけはあって、この映画、本来とにかく「動き」がまず凄まじいのね。もう話なんかどうでもいいと思うほどに。
アメリカのものともソ連のものとも違う、ちょっと見たことがないアニメーションなのよ。
途中からハンナ・バーベラのTVアニメみたいになってしまうのを見てると「これ辛かったろうなあ。こうでもしないと完成しなかったんだろうなあ。」と思うことしきり。
よっぽど意識化に刷り込まれてたのか、「迷宮のような巨大な城」「好色で残忍で、しかしどこかユーモラスな悪役」「床の落とし穴」「すぐ高いところに登りたがる」「地下迷宮の逃避行」など宮崎アニメにはしょっちゅう散見される要素の源流が見られるので楽しいよ。
まあ、映画としては見られたもんじゃないんだが、長編アニメーションを映画として鑑賞するなんてのは日本人だけみたいなので、アートフィルムとしてはこれはこれでいいのかも。

0211 雪の女王 DVD版
ソ連の古典的名作アニメ。「ホルス」の元ネタとして有名。なんか吹き替え版で画質もイマイチなのだが、見られればいいやという感じ。
なんといってもタイトルにある「雪の女王」の硬質な美しさ(これに比べたらグルンワルドは貧相な小役人だ)と、山賊の娘「ゲルダ」が最高。
ディスニーには絶対に登場しない複雑なキャラで、まじめ一方のヒロインのお株を完全に奪っている。
ここらへんが「ホルス」の「ヒルダ」に受け継がれているのは、ネーミングからも明らかだろう。映画としての面白さは「ホルス」のほうが数段上で、その意味では「ホルス」は「雪の女王」を別の高みにまで昇華した、と言えるのだが、この山賊の娘のエキセントリックな魅力だけは、「ヒルダ」も到底敵わぬものではなかろうか。なんかヒロインよりよっぽど演出に力が入ってるし。
また、彼女の影で目立たないが、ただ状況に流されるのでなく、目的のために健気にがんばるヒロイン像というのも、その後宮崎駿が好んで登場させるヒロイン達とだぶる部分が大きい。
まあなんか版権が安いからかお手ごろ価格だし、知らない人には知ったかぶりができるので、「王と鳥」(やぶにらみの暴君改題)と合わせて、ぜひ見ましょう。
考えてみたら「ICO」の「ヨルダ」は「ヒルダ」からの引用だろうから「ゲルダ」>「ヒルダ」>「ヨルダ」という、ドルゲ魔人みたいな流れができている。次に「ゾルダ」「ズルダ」とか出てきそうだな。

0211 タイムマシン DVD版
これも1500円でそろそろなくなりそうなので。何度見ても楽しい古典的SF映画。最近知ったのだが、ジョージ・パルってアニメーター出身なんだそうで、彼の特撮チームにも元アニメーターが多かったらしい。だから彼のSF映画には、絵作りにしっかりした主張と洒落っ気があるのではなかろうか、ちょっと納得。
有名な、優雅そのもののタイムマシンの造形をはじめとして、時間の急激な変化を、マネキンの着ている衣服がファッションショーさながらに刻々と変わることで表現するなんてカットなどは、理屈ぬきでまず絵として楽しい。
80万年後の記録媒体が、ただの金属の輪を手で回すだけという、ごくごくシンプルな仕組みになっているというのも、ヘタなメカを出すよりよほどスマートだ。
実は低予算作品だったらしく、粗も多いといえば多いのだが、派手なCGに頼っただけでイメージ貧困な最近のSF映画より、よっぽど最後まで楽しく見ていられるのは、やっぱり大したものだ。
こないだのリメイク版とかホントーにダメダメだったからな。
同じシリーズで「地球最後の日」とかも大好きなんだけど(地球脱出ロケットを建造していく、その過程の細かさが凄いよ。)DVD早く出ないかなあ。

0211 ロード・トゥ・パーディション
トム・ハンクスのギャングもの。原作は「子連れ狼」だとか。まあインスパイアされたレベル。
デキはまあまあ。退屈はしないが、ギャングものというより、一種のファンタジーっぽいテイストなのでサスペンスの緊迫感には欠けるか。特に後半で失速。追っ手の殺し屋がバカすぎ。
しかし、とにかくカメラが抜群にいい。アメリカン・ビューティーの人らしいが、色調を抑えて粒子ザラザラ感を出しながらも美しいという。この映像だけでも金を払う価値は結構ありあり。あと、ギャングの歴史など、アメリカ人じゃないとちょっとわかりづらい部分あり。
これはまあ日本映画で「坂本竜馬」とかの名前が出ても説明なしで通用する程度のものなのかも。
ポール・ニューマンもいい感じで老けている。日劇で見たのだが、銃声の音響効果がかなりグー。
銃の脅威が音だけでよく出ていた。

0210 ダーティ・ペア 劇場版
テレビでたまたまやっていて見る。映画としては特に見るべきところはないが、最近では失われてしまった80年代の「土器手絵」がかなりよく動いていたのがなんか拾い物な眼福。
エロエロな姉ちゃん二人が活躍するぬるーいアクションということで、外人は喜びそう。
OPがなかなか妙な色味だなあと思ったら作画が森本晃司で監督が真下耕一なのね。
演出たしかにウラシマンっぽい。

0210 パワカッツィ DVD版
やっと見られました。初見。まあやっぱり「ひゃらりらひゃらりらぱ〜わかっつぃ〜」という内容ですが、現実を切り取って見せているのに、ヘタな抽象よりよほど強烈な非現実感がある。ここらへんはやっぱり「まったくの未知なものは、そもそも理解すらできない」人間の感覚の限界だろうか。新作も見たいなあ。

0210 コヤニスカッツィ DVD版
やっと出ましたDVD。最後でなんか音声が歪むけど、これでもうLDの故障におびえずに済む。
筋もセリフもないのに、無用に泣ける映画だ。しかしこれ劇場で見たかったなあ。

0210 テンプルちゃんの小公女 DVD版
特価9.95ドル。1939年公開なのだが、なんとカラー。プリントもきれいで、当時の人気を思わせる。
実はシャーリー・テンプルはオカメ顔で、今日的な美少女からは程遠いのだが、ラストの敬礼など、ちょっとしたしぐさに見せるオーラがすごい。
あの年で、チャップリンと同じように全身で演技できる貫禄にビックリした。
こんな子役今はとてもいない。ダンスとかも、いかにも拙いんだけど、全部自分の武器にしている。
ところで、この映画なんと、死んだはずのパパが生きてます!
名作アニメ版の不幸ジェットコースター展開からは考えられない、徹底したハッピーぶり。
だって、クライマックスで、偶然行き会ったビクトリア女王が助けてくれるんだぜ。
「ボーア戦争でパパが生意気な土人にやられたけど、偉大なる女王さまのおかげですべてハッピー!私も大きくなったら大英帝国の植民地を守るために戦うわ!敬礼!」
こんな物凄いエンディングで、なんか見てると嫌味なくまとまってるのは、さすが往年のハリウッド。
「国民の創生」とかも、KKKの登場でスカッとするもんな。