●うろおぼえ映像相談所
よく日曜日の昼過ぎなんかに途中から見て、だらだら見続けるうちに、タイトルなんかもわからないうちに終わってしまう映画とかがありますね。別に大した内容じゃなかったんだけど、何か気になる。そういったうろおぼえの映像について語ってみましょう。うまくいったら「そりゃ●●だ」とか教えてくれる人が出てくるかも知れないし・・・。
その1「愛と青春の腕回り45センチ」(勝手に命名)
たしか76〜80年頃に、なんかの娯楽映画と抱き合わせで併映されたもの。まったくの凡作だったが、妙に記憶のはしばしに残る一本。
(物語)なんかアメリカのワルガキどものお話。主人公はいっぱしのギャングを気取る、マンガを描くのが好きなヘタレヤング。継父として家にやってきた、腕周りが45センチある(何でこんなディティールだけ覚えているのか)マッチョ男とそりが合わない主人公は、どっかの町から流れてきた、スナフキンを不良にしたみたいなカッコいい風来坊と出会う。
主人公の所属するギャングチームは、全員スキンヘッドという大変わかりやすい悪役ヅラな他チームとの抗争が絶えず、主人公はこいつらに捕まって橋の上でフルチンにさせられた上、ナニにロープ装着、さらにその先に結びつけた重い石を橋から落として・・・・という望月三起也のマンガみたいな無意味に凝ったリンチに遭うが、それ以外のストーリーは、ほとんど記憶にない。
ロープが長かったので、結局ナニは無事で済んだ主人公は、得意のマンガを活かし、通っている高校(だったかなあ)の、フットボールの試合を応援するための旗を一生懸命描いたりしたのだが、これまた試合に乱入してきたスキンヘッドに破かれちゃってシオシオ。
主人公の仇をうつため、破れた旗を握り締め、風来坊が単身スキンヘッド集団に立ち向かうかと思ったらさにあらず。
風来坊は、いきさつがよくわからないが、腕回り45センチの継父をぶちのめして風のように去っていく。
スキンヘッド集団は、酒に酔った勢いで、全員ベトナム行き志願兵徴募の書類にサインしてしまい、そのまま退場。
なんとも脱力感あふれる展開がガキ心にも大変印象に残っている一本だが、どなたかこういう映画のタイトルをご存知ありませんか?
その2「霧の旗」
松本清張原作、山口百恵主演というまっとうな東宝映画。なんでこんなものが出てくるのかというと、この映画、当時「惑星大戦争」と二本立てだったのよ。
最近では「スターウォーズ」の便乗映画として括られるこの映画だけど、当時のガキはそんな次第を知る由もなし。「東宝チャンピオンまつり」の拡大企画だとばっかり思った筆者は、父親にせがんで連れてってもらった映画館で、愛憎ドロドロのこれを見てトラウマとなり、断片的に残った記憶も「惑星大戦争」とごっちゃになって、未だにどんな映画だったのかよくわからない。まさにナゾの映画となった。
(物語)山口百恵は宇宙戦艦「轟天」の乗組員だったが、父を政治スキャンダルで失い、三浦友和とともに復讐に燃えて金星を目指す。しかし金星では、かつて父を陥れた悪徳弁護士がおそるべき超兵器「大魔艦」で待ち構えていた。
三浦友和の特攻死など、尊い犠牲を払った末に敵艦に潜入することに成功した山口百恵は、自分の肉体を犠牲にして弁護士を誘惑。その一部始終をマスコミに暴露することで彼を社会的に破滅させ、地球は救われる。
その3「海底3万マイル」
昔なつかしい「巡回映画上映会」(小学校とかにやってきて、日が暮れた後の校庭にスクリーン広げてタダで映画を見せてくれるアレ)で見た一本。筆者は九州のど田舎で少年時代を過ごしたので、なぜかこういう経験が豊富なのだ。
原作は石森章太郎。東映動画B作路線の流れを汲む由緒正しい作品なのだが、傑作の誉れ高い「空飛ぶゆうれい船」のカゲにかくれて、今日ではほとんど忘れ去られている。
(物語)平和な繁栄を謳歌する海底王国、しかし悪の宰相ヘドモス(勝手に命名)は、海底王の意思に反して無敵のロボット恐竜「火炎龍」をひそかに地上侵攻を図っていた。
辛くも脱出に成功した王女ピピ(なんかそんな名前)は、地上に危機を知らせるものの聞き入れられず、世界各地に上陸した火炎龍は、平成ガメラの先を行くプラズマ火球を吐きまくって大暴れ。王女はなんとか心を通わせた主人公の少年とともに、ヘドモスの野望を砕くべく海底王国を目指す。無敵を誇る火炎龍だが、所詮はロボット、海底王国のどこかにあるコントロール装置を止めれば動けなくなってしまうのだ!
マジンガーみたいな正義のロボットが出てこない分、強さが際立つ火炎龍のカッコよさ。時期的に考えて、たぶん小田部羊一の作画だったはずのヒロインの可愛さが強烈に印象に残っているのだが、細部はほとんど記憶にない。(ビデオも出てないようだ)
この巡回映画上映会というのは案外クセモノで、普通の映画館とは違った、サーカスのような不思議な劇場性がある。普段は家に帰らなきゃならない夜、外の闇の中に友達と集まる・・・というのは、子供にはそれだけでドキドキものである。そこらへんを駆け回ったりもしながら、芝生に寝転がって見ると、保証するがどんな映画も3倍くらい面白く見えるのだ。
この映画も今見直したら大して面白くはなかろうが、それでもオレの東映B作といったら「ゆうれい船」でなくコレであることに違いはない。ああ火炎龍。ココロの中のカッコいい記憶のまま、もういっぺん見たい。
誰かこの映画の資料持ってたら下さい。
ところで筆者は「どうぶつ宝島」もこの巡回映画上映で見て、森やすじ描くところのエンディング、王冠を戯れにかぶって微笑むキャシーの犯罪的な可愛さに、その後の人生がかなり狂ってしまった(実話)。
その4「魔犬ライナー0011変身せよ」
これも東映動画。もうB作というカテゴリーではなくなっていたかもしれない一本。
年代的には「海底3万マイル」の後になるはずだが、こっちはリアルタイムで劇場で見たので、より記憶は不鮮明なものとなる。タイトルだけは記憶を頼りに調べて判明した。
(物語)なんか未来。なんかSFな主人公は、たしか飼っていた犬の親子を事故で失い、たしか父親のなんとか博士に頼んで、合体変形可能なカッコイイサイボーグ犬に改造してもらう。
たしか飛行機モードになったりしたような気がする。犬はかわいいし、合体してカッコイイので「あんな犬が家にいたらいいなあ」とガキ心に素直にそう思った。
たしか生まれて初めて見たSFっぽいアニメだったような気がするので大変印象深い。
(次がアストロガンガーとゼロテスター)
ビデオとか出てないかなあ。これも資料とか持ってたら下さい。
その5「あの街を消せ」
これはTV。NHKの少年SFドラマの中でも後期のもの。
よく「ウルトラは刷り込みだ、評価といっても最初に見たシリーズのヒイキにしかならない」とか言いますがまさにそんなカンジ。普通少年SFドラマというと「タイムトラベラー」とかが話題のメインになって、回顧特集みたいなものが組まれても、この「あの街を消せ」なんかは一行で済ませられることが多いのだけど、オレにとってはこれがココロの一本なんだよぉおおおお!
(物語)「なぞの転校生」を思わせる平行世界もの。「なぞの転校生」と違うのは、平行世界からの使者が来るのでなく、主人公自身が平行世界に紛れ込む点で、「番長惑星」とかが大好きだった筆者はかなりビビッと来たのだ。
主人公が紛れ込んだ先の世界は、一見主人公の済む世界とそっくりながら、人口爆発などより深刻な社会危機に瀕して、全体主義が横行している怖い世界。低予算だからロクにセットも組まないけど、平行世界だから見た目はそっくりというのがミソで、なにげない日常的風景の中で繰り広げられるサスペンスというのは、放映が日頃もっともフィクションから縁遠いNHKなだけに、かなり怖かった。
(これは同じ頃始まった「未来少年コナン」でも言えた。あの名作路線の絵柄で、いきなり冒頭、世界破滅を見せ付けられたのには、ものすごいショックを受けたものよ。)
主人公は、もと来た世界に帰るべく苦闘するうちに、自分の世界への侵略を密かに目論む権力者の陰謀を知ってしまい、追われるハメとなるのだ。
戦時中の特高警察を思わせる黒眼鏡にコートの男が、主人公がかくまわれている家に「本部のクロサキだ!開けろ!」とか言ってドアをドンドン叩いてくるのが今でもトラウマ。だってさ、朝の連続ドラマとまったく同じような世界に、秘密警察が土足で踏み込んでくるんだぜ。
主人公がずっと信じていた友人が実は敵の放った少年スパイだったりするハードな展開、無数の平行世界が映し出されるモニターを前に、クロサキが自分達の主張を語るクライマックスなど、おそらくは記憶が美化しているものの、個人的には平行世界もののベストとして、今でももう一遍見たいシリーズである。
その6「ウルトラマンジロウ」
これはうろおぼえとは違うような気もするが、忘れもしない、筆者の幼稚園時代に口を開けばウソばっかついてるヤツがいて、こいつが見たと言い張った架空のウルトラマンである。「おまえ知らないの?日曜日の朝、すごく朝早くにやってるんだぞ!最初にすごい爆発の中をジロウが駆けてくるところから始まって・・・」こんなもん信じる方がどうかしていると思うのだが、幼稚園児だった筆者はコロっとだまされた。
ところで筆者には昔から特殊能力みたいのがあって、ある状況を耳で聞いた瞬間に、その情景がハッキリ映像として脳裏にスパークするという、ちょっとアブナい人なのである。
というわけで、未だに筆者の脳裏には、おっそろしく鮮明に、まるで実在したかのようにこのシーンが焼きついている。どれくらい鮮明かというと、陸上選手チックな、特徴的なジロウの腕のフリ、仮面ライダーの生田撮影所を思わせる、砂地にほどよくペンペン草の生えたロケ地情景。右、左、右と連続する弾着のタイミングまでだ!ああ、いっぺんちゃんと見たいぞウルトラマンジロウ!(無理)
ちなみにこのガキ、「こんど登場するマジンガーはグレートマジンガーじゃなくて、グレストマジンガーだ!」などと言い張っていた。今はどうしていることやら。
「うろおぼえ映像相談所」では、引き続き皆様のうろおぼえな情報をお待ちしております。
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